『グラーグ57』上・下、読了 - sailing day

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『グラーグ57』上・下、読了  

グラーグ57・上 グラーグ57・下
運命の対決から3年―。レオ・デミドフは念願のモスクワ殺人課を創設したものの、一向に心を開こうとしない養女ゾーヤに手を焼いている。
折しも、フルシチョフは激烈なスターリン批判を展開。投獄されていた者たちは続々と釈放され、かつての捜査官や密告者を地獄へと送り込む。そして、その魔手が今、レオにも忍び寄る…。世界を震撼させた『チャイルド44』の続編、怒涛の登場。


グラーグ57(上・下) / トム・ロブ・スミス
文庫:382ページ / 365ページ
出版社:新潮社
発売日:2009/8/28
価格:¥700 / ¥700


『チャイルド44』の続編で、最終的に3部作になるらしいです。前回の装丁(赤)もカッコよかったけど、青も良いですね~^^
今回もレオに与えられる試練はハンパなくて、あと一歩で死ぬw という場面が何度も出てきます。映画を観ているような文章で実にドラマティック。スピードと緊迫感があって上下巻一気読みでした。

初見でもそれなりに楽しめるだろうけど、前作を読んでから読むとより一層面白いと思います。今回もガンガン人が死んでいくので、それが苦手な人にはキツイ?かもしれないけど、お勧めの本です^^ ではネタバレ感想は続きでどうぞ▼
このお話の主人公・レオは結構イケメンで、行動力があって基本的に無口な感じです。そしてなぜか他人から恨まれやすいw そう考えると不憫な人ですよね。心を入れ替えたつもりのレオにのしかかる「贖罪」という言葉が痛いです。

完結編までにお話を忘れそうなので、あらすじをガッツリ書いておきます。このお話は最初の方が伏線もあって重要だと思うので、前半濃いめに感想書いときます。全ての発端はここから。(若干間違いがあってもスル―してくださいw)

サンクト・ソフィア教会は迫害を避けるための生贄として爆破されようとしていた。教会の元司祭・ラーザリは爆破を見に来ていたが、その時国家保安省の男に声をかけられてしまう。
ラーザリの妻・アニーシャは彼の教え子である若い男性・マクシムから求婚されていた。マクシムになびくつもりはないけれど、"ラーザリの妻"としてしか見られない今の立場に不満を抱いていた。そこへ戻ってきたラーザリは、妻とマクシムと荷物を分け、追手から逃れようとするが…。


…マクシムは潜入捜査官のレオだったー!! (゜д゜;)(ここですでに1本取られましたw) 相手に全く気付かれないってすごいよなぁ。恋してる演技で油断させたのか…w
ラーザリは総主教に裏切られたんかー。聖職者なのに裏切るんだねw そういう手腕がないとトップまで登りつめられないのかな。 ラーザリが預かってた楽譜も燃やしちゃったみたいだし、ラーザリとアニーシャの恨みは深そう。コワッ

-七年後- (『チャイルド44』の時から三年後)
現在殺人課の責任者を務めるレオは、心を開いてくれない養女・ゾーヤの扱いに困っている。


ゾーヤ、ねじ曲がりすぎてないかい? 実際に殺したのはワシーリーだったよねぇ。レオには大事にしてもらってるのに、深夜にナイフで殺そうとするなんて(´w`) 坊主憎けりゃ袈裟まで憎いってやつですかね。

元国家保安省の職員で今は印刷所所長のスレンと、レオの元上司・ニコライが自殺し、2人の元にスターリン批判をした「フルシチョフの秘密報告」が届けられていたことを知る。レオの元にも同じものが届けられており、7年前の潜入捜査の関係者に危険が迫っていることを察知したレオは、ラーザリを告発した元総主教・クラシコフの元へ急ぐ。
クラシコフの経営する児童保護施設にレオが到着した時、彼は孤児を装った少年によって殺されかけていた。クラシコフの首にかけた鋼鉄のワイヤを巧みに操り下水へ逃げ込んだ少年をレオは取り逃がしてしまう。


ここでレオと一緒に捜査してるネステロフは『チャイルド44』のラストに登場してたらしいです。(解説に書いてあったけど全然記憶にない…w 物忘れ激しいなぁ)
それにしても、この少年の殺人&逃げの鮮やかなこと! 褒めちゃいけないけど、素晴らしい手際の良さです。ずっと握りしめてた置物が凶器に早変わりとか、怖すぎますw

ゾーヤはレオを憎み、ライーサにレオと離れてエレナと3人で暮らすことを提案するが、ライーサはそれを暗に断る。ライーサが教師を務める学校にもフルシチョフの秘密報告は届いており、その内容を知ったゾーヤはスターリンの肖像画を破く。
問題行動を隠密に処理するため、学校から去る決意をしたライーサ。そこにレオの部下が警備にやってくる。レオの両親の家に避難したが、そこにKGB捜査官を名乗る2人(実際は犯罪者集団の"ヴォリ")が現れ、ゾーヤをさらっていく。
レオは呼び出しの手紙を受け、サンクト・ソフィア教会跡地へ向かった。そこへ現れたのがラーザリの妻・アニーシャ(現在の名はフラエラ)であることに驚くレオ。フラエラは捕えられているラーザリとゾーヤの交換を求める。


この3年でライーサが「レオを愛してる」と言えるようになったのも大きな前進ですね~。なんだか嬉しいw ゾーヤが問題起こすばっかりしててヒヤヒヤします。
ヴォリは手際良いなぁー。女性なのにどんな手を使ってトップになったのやら。フラエラの恨む気持ちの強さが何年も持続しててスゴイなーとある意味感心しました。

-三週間後-
ラーザリを脱獄させるため、彼が収容されている第五十七強制労働収容所(グラーグ57)に向かうことになった。レオは囚人に、ネステロフは警備兵として囚人護送船に乗り、荒れ狂う海を何とか乗り越えコルイマのマガダン港へ着く。
ネステロフは不足している警備兵の代わりに船に残るよう地方長官・プレゼントに命令されてしまう。機転を利かせたネステロフは、自分は内務省の者で秘密報告を受け調査に来たのだと嘘をつく。無事グラーグ57へ向かうことになったネステロフだったが、彼の報告する内容に恐れを抱いたプレゼントによって崖に突き落とされてしまう。


船での暴動がすごかった…。犯罪者が集団になると怖いです(´w`;) ここではネステロフが活躍しててカッコ良かった^^ そのネステロフは川に流されちゃったけど、本当に死んだんですかね? モスクワに帰ってからレオがネステロフの家族に会いに行ってて、もう死んだ認定されてるけど、2回も瞬きしてるからどこかで引っかかって助かってる気がするんだけど(・σ・) もしかして、次作で登場するとか?

グラーグ57に着いたレオは、囚人のリーダー格となっているラーザリと再会する。ネステロフと協力してラーザリを脱獄させるという当初の計画が崩れ、囚人らに拷問され疲れ果てるレオ。
「秘密報告」の名を出し、所長・シニャフスキーに助けを求めたレオだったが、彼は過去の罪をスピーカーに向かって語りだし、それを聞いた囚人は暴動を起こしグラーグ57を占拠する。


拷問も辛そうだったけど、暴動シーンが怖かった…w 塔を燃やして警備兵が焼き殺されちゃうのとか、想像するのが怖くてオェー;でした(´w`)
所長さんは改心して良い人っぽくなってたけど、もう諦めててレオみたいに生き延びてやる!っていう根性が感じられなかったです。最初っから死ぬ覚悟しててあの階段の裁判してたんだろうなぁ。

混乱の中、負傷した警備兵を運ぶ役を買って出たレオはラーザリを脱獄させ、飛行機でモスクワへと逃れる。ライーサを伴い人質交換のためフラエラと対峙するが、彼女の真の目的はレオへの復讐であって、もはやラーザリに興味がなかった。彼は撃ち殺され、ゾーヤは彼女たちによって川に投げ込まれてしまう。

あんだけ危険をくぐり抜けて来たのに、変わり果てた姿の元妻にあっさり殺されちゃって、ラーザリ可哀想(´・ω・`) フラエラの恨みが根深すぎてコワイ~; 

-五ヵ月後-
エレナは姉の死のショックで精神を病み、強制的に入院させられてしまう。レオは元上司・グラチェフの話から自分が裏切られていたことを知る。上司・パニンを問いただし、彼がフラエラと密かに手を組んでいたこと、ゾーヤは生きておりフラエラと共にブダペストにいることを知らされる。
ゾーヤを奪取するためブダペストに入ったレオ夫妻は、町の様子、そしてゾーヤが総主教を殺した少年・マリシュと恋に落ちていることを知り驚く。

"マリシュはライーサの息子だ"というフラエラの言葉に動揺させられたが、それは嘘だった。ソビエト軍の攻撃の中、レオ、ライーサ、ゾーヤ、マリシュの4人はなんとか町を脱出するが、マリシュは被弾し病院で息を引き取る。そして、フラエラはカメラを手に戦死する。


ブダペストのゾーヤはちょっと調子にのり過ぎでしょw マリシュも若干引いてるような…。フラエラが魅力的な指導者だって事は分かるけど、すごく影響されてる。子供ってなんでも吸収しちゃうなーw
そしてレオ達の案内役(通訳)・カーロイとその息子の死に様に血の気が引きましたw 熱い゛よ゛ーー(゜д゜;)
フラエラは自分がパニンに利用されてることを分かっててブダペストに来て、戦って死んだのである意味カッコ良かった。悪いことはたくさんしてたけど、簡単に善悪がひっくり返ってしまう時代だったんだから、こうやって生きるしかなかったんだろうなー。そう考えると哀れな人だ。

-二週間後-
殺人課のオフィスがあった1階のパン工場で働くレオをパニンが訪ねてくる。レオは7年前燃やしかけて止めた楽譜を手に作曲家を訪ね、誰も知らないはずのその曲がすでに世に出ていることを知る。


パニンが平気で会いに来れるのがスゴイな。神経太いわ。レオを生かしといて上手く利用してたくせにー(>ε<) クセ者・パニンは次回も登場しそう。
あの楽譜、燃やしてなかったんかい~w また一本とられたw しかも友達がプチ盗作して世に発表してるとか、なんとも皮肉な感じ。
最後にゾーヤは改心しててちょっと安心しました。レオが前にゾーヤに言われたことを覚えてて、お話を創作してるのが「良いお父さん」って感じで良かったです。ちょっと胸が熱くなっちゃった^^

あぁー早く完結編が読みたい!!
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コメント

こんばんは~♪
178さんの感想、楽しみに待ってました!!

凄い要点まとめられていますねぇ☆
完結編を読む前に、まずは178さんのブログで復習することにします(笑)

前作の、さらわれたお兄さんがレオってのもかなりの衝撃でしたが、、、またもや初っ端からやられたって感じでしたねぇ。
まさかマクシムがレオだとは…(笑)
ホントこの作家さんは人を驚かすのが好きだと見える!!

ネステロフ、前も登場していたんですねぇ。
……全然記憶になかったわ(* ̄m ̄)
彼は、きっと生きていると信じています♪

マリシュとゾーヤのエピソード切なかったです。
でもこの時代って、こんな悲惨な別れ方をしたカップルって沢山いたんでしょうねぇ…恐ろしい世界ですよね。

完結編も映画も、楽しみですねぇ☆

URL | nanaco☆ #-
2009/10/29 21:56 | edit

>nanaco☆さんへ

こんにちは、コメントありがとうございます♪
また読み返すのは大変なのでガッツリまとめときましたw

> まさかマクシムがレオだとは…(笑)
> ホントこの作家さんは人を驚かすのが好きだと見える!!

テレビの脚本とかを書いてただけあって、ドラマっぽい
演出が多いですよね~。映像化しても華があるというか。

> ネステロフ、前も登場していたんですねぇ。

解説の方、鋭いですよね(当り前か?・笑)
多分9割の人が覚えてなかったと思いますw
彼が生きてることを願いたいけど、レオの敵として
登場しないかと内心ヒヤヒヤしてます。
レオは不憫な人だから;

映画のキャストが早く知りたいですね^^

URL | 178♥ #-
2009/10/30 09:30 | edit

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